『慟哭は聴こえない〈デフ・ヴォイス〉』(丸山正樹)
デフ・ヴォイスシリーズ第三弾。
第一弾を読んでからどっぷりとはまってしまい、一気に読み進めています。
事件を通してろう者と聴者の繋がりを掴もうとする手話通訳士。
ろう者たちの苦悩の物語が、その世界を知らない読み手にも手に取るようにわかり、心を揺さぶられます。
特別な言葉が使われているわけでもなく、ごく自然にそれを伝えようとする筆致もとても繊細であたたかい。
「このシリーズを読むと、昨日まで見えていたのと世界が変わる」
という、作家 辻村深月さんの言葉の通り、聴者とろう者の世界を繋ごうとする者たちの苦悩と同時に、人と人との繋がりの複雑さと切なさ、知らないがゆえに見ることのできなかった世界が胸に大きく広がっていく。
それがとても奥深く、豊かな世界に見える。
第一弾から物語が進み時間も過ぎゆく中で、新たな問題や課題も出てくるとともに、まだまだ知らないことが取り上げられていく。
それは今後もずっと続いていくと思われる大きな課題なのだろうと思う。
実はその課題はろう者だけではなく、聴者であっても同じなのではないか、とも思える。
それでもその課題から目を逸らさずに向き合っていく家族。
親として、子として、兄弟姉妹として、それぞれの立場で苦悩しながらも前向きに進んでいく姿はとても力強い。
タイトルの「慟哭は聴こえない」の意味がわかった時の何にも喩えようのない衝撃。
打ちひしがれて、しばらく何も手につきませんでした。
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