夏川草介さんの作品に触れたのは『スピノザの診察室』からでした。
主人公の雄町先生のキャラクターが好きになり、続編の『エピクロスの処方箋』も続けて読みました。
(なぜかベストセラーの『神様のカルテ』は未読で、実写化された映画だけ観ています😅)

文庫本のカバーが濡れてしまいヨレヨレに😭
(中身は水だったのでまだよかったですが)
古本屋を営む主人公・林太郎の祖父は、今では見向きもされないような古い本を並べているような、こだわりの店主でした。
両親が亡くなった後、古本屋を営んでいる祖父と暮らしていた林太郎は、店内の書棚のどこにどの作品があるか把握しているほどの無類の本好き。
その祖父が亡くなったことで生活が一変します。
毎日過ごしていた古本屋の主がいなくなり、喪失感から学校へも行かなくなり、祖父の見様見真似で古本屋の仕事を引き継いで過ごす毎日。
そんなある日、店の奥から話ができる一匹の猫が現れる。
「本を守ってほしい」という猫からの依頼を受け、不思議な世界に足を踏み入れることになる林太郎。
本を守るとは?
本とは何か?
本当に大切なものは何か?
自身が本から得たもの。
祖父から受け継がれた本への思いと、祖父から学んだもの。
本好きな林太郎はどう向き合っていくのか?
その答えは…?
これまでとは違うファンタジーの要素が含まれている作品ですが、設定が古本屋ということもあり、作者は物語の中に長く読まれてきた名作(今はあまり手に取ってもらえないような)を様々な形で散りばめ、鋭い洞察力のある読書好きの方なら本を開いた瞬間に気づくだろう、と言っています。
恥ずかしながら、私は読んだ本の内容をすぐ忘れてしまうという不届き者なので、作者の散りばめたものに気づけなかった(そもそもその知識がなかった)のですが、ベストセラーだけではない今でも大切に読まれ続けている作品を手に取るきっかけになりそうです。
(まんまと作者の策略にはまる単純な読者です)
「読んで難しいと感じたなら、それは新しいことが書いてあるから難しいんだ。難しい本に出会ったらそれはチャンスだよ」
「読みやすいってことは、それは知っていることが書いてあるから読みやすいんだ。難しいってことは新しいことが書いてあるって証拠だよ」
「本は”答え”を与えてくれるわけではない。
けれども答えを見つけるための”道しるべ”は、きっと示してくれるに違いない」
これまで自分の本への思い、本との向き合い方を振り返るきっかけになりそうです。
少し視点を変えてみよう、と感じています。
自分なりの ”道しるべ” となるようなものに出会えますように。


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